ある日友達のSNSを見ていると「ももたろう始まりました!」の文字。ん?冷やし中華始めました的な感じ?ももたろうって何?そしてアップされている写真を見ると、そのあまりのみずみずしさとビジュアルに魅かれ、これは絶対に食べにいくべきと決意。
というわけで早速長野県伊那市にある「フランセ板屋」へ。そこには新鮮な桃を丸々一個贅沢に使った、まさに今が旬!究極のデザート「ももたろう」がありました。
明治20年創業の老舗。地元のケーキ屋さん「フランセ板屋」
JR飯田線伊那北駅から徒歩1分。明治20年創業。「フランセ板屋」もともとは「板屋菓子店」として和菓子を扱うお店でした。
その後現在のご主人、福永豊さんの代になって洋菓子を扱うようになって40数年。現在は町のケーキ屋さんとして、地元市民に愛されています。入口にはあの「ももたろう始まりました」の文字も。
夏季限定「ももたろう」のビジュアルにメロメロ
こちらが桃のデザート「ももたろう」旬の桃がまるごと一個どーん!お店のショーケースの中でもひときわ目立ちます。ビジュアルのインパクトもさながら「美味しい私を食べて!」と言わんばかりの圧倒的な桃の存在感。
くり抜いた種の部分に生クリームとカスタードクリームさらにその下にはタルト生地。見ただけで「これ絶対美味しいって、決まってるじゃん!」
「ももたろう」にはサイズがある
「ももたろう下さい!」「どのサイズにしますか?」とケーキ屋さんではあまり聞かない会話が交わされています。そう、「ももたろう」は桃の大きさごとに価格が変わるのです。小さいものだと300円。大きい桃だと600円、650円など。アウトレットは450円など。
まさに桃を丸ごと一つ使うからこその価格設定。大きな桃だと野球ボール大。ちょっと待って。こんなに大きな桃のデザート、もしも都会で食べたら、桃だけでも一個600円ぐらいするんじゃないかなぁ?こんなにお得でいいんですか?!
熟した桃しか使わない!フランセ板屋の桃へのこだわり
「ももたろう」に使われている桃は、桃の産地である長野県のお隣の山梨県や長野県飯田市に一週間に1~2回、大体500~600個をご主人が軽トラックに乗って直接買い出しに行かれています。しかもその桃は木でギリギリまで熟していた、最も糖度が高い桃。
ギリギリまで熟した桃はどうしても日持ちが悪くなるため、市場にはなかなか出回らないとの事。その種類は千代姫・白鳳・日川白鳳(ひかわはくほう)・なつっこ・赤宝(せきほう)等、時期によって桃の種類も異なります。
さらに最も重要なのが桃選びで「ももたろう」には硬すぎずやわらか過ぎず、しっかりと熟した柔らかめのものを選ぶそうです。デリケートな桃を使ったデザートは、朝作ったものが夕方には色が悪くなってしまう事も。
そのため「ももたろう」は一日3時間おきぐらいに、職人さんが何度か分けて作るというとっても手間暇のかかったデザートなのです。
「ももたろう」はまさに旬の究極のデザートだった
いよいよ「ももたろう」をフランセ板屋さんが経営されているお隣のカフェで頂きます。お皿にかわいく盛り付けられた「ももたろう」を目の前にした、私のテンションはもはやMAX状態。
まずはフォークを入れると、「じゅわ~。え?桃ってこんなに果汁出たっけ?」と驚くほどジューシーな果汁が溢れ出します。種にあたる部分にはカスタードクリームと生クリームを併せたクリームが。あまりにも桃が大きいので、奥のクリームまで一口めでは届きません。

というわけでほとんど桃の部分を口に入れると「桃、甘―――――――い!」いや正直、ここまでしっかり熟した甘い桃を食べたことがありません。知らなかった。美味しい桃って、こんなに甘かったんだ。これはやはり、こだわり抜いた桃だからこそ。素材の良さが引き立つってこういう事なのね。
さらに食べ進んでいくと、今度はクリームと桃のコラボが口の中に広がります。このクリームも甘すぎず、桃の味を邪魔しません。そして底にあるサクサクのタルト生地と一緒に食べると次は桃のタルトに。食べ進んで行けば行く程、いろいろな味を感じさせてくれる「ももたろう」に私、完敗です!
「美味しかったら、絶対に売れる!」その思いで「ももたろう」を作り続けた
ご主人の福永さんは10年ほど前に「ももたろう」を作り出しました。作り始めはスーパーなどで販売されている桃で作ってみたものの、納得するものができず。その後産地に直接連絡を取り、最も「ももたろう」に合う桃選びを続けたそう。今ではほんの少し桃に触れただけで熟しているか、美味しい桃かどうかわかるようになったそうです。
「ももたろう」はその日のうちに売れないとダメになってしまうので、初めのうちはロスもあったそう。「美味しかったら絶対売れる!」という信念で続けていくうちに、食べた方から次々と評判が広がり今では平日は約100個、土日は約200個売れる人気デザートとなりました。
期間限定「ももたろう」が買えるのは、6月末から8月半ばまで
さすが地元民が愛する「ももたろう」これを食べれば、贅沢で幸せな気分になれること間違いありません。ああ、もっと早く出会っておけばよかった。でもまだ大丈夫。「ももたろう」の販売は6月末~8月半ばぐらいまで。
予約可。(※桃の仕入れ状況により販売終了が早くなる場合もあります)今が旬。究極のデザート「ももたろう」食べるなら、今!急いで!
■DATA
フランセ板屋【ふらんせいたや】
営業時間:9:00~19:30
定休日:毎週木曜日、年末年始
住所:長野県伊那市山寺1982番地
TEL:0265-72-2686
おまけphoto

「ももたろう」の隣にあった「メロンバスケット」こちらもとっても美味しそう。お値段850円なんてリーズナブル!
かご盛りチーズケーキ「さらら」低カロリーでヘルシー。ぱくぱく食べちゃいたい。
「アルプスの湧き水ゼリー」1個210円。信州のお土産にどうぞ。