お洒落なカフェもいいけれど、最近はレトロな純喫茶に魅かれる。カフェよりも気負わなくていいし、昔懐かしの喫茶店は肩の力を抜いてリラックスができる居心地の良さがある意味新鮮って思ったりして。
信州松本には、そんな昭和薫るレトロな純喫茶が未だに健在!今やトレンドにもなりつつある純喫茶。
そこで今回は松本市で幅広い年代層から人気の『珈琲茶房かめのや』をご紹介。
信州松本の老舗純喫茶「翁堂茶房」から「珈琲茶房かめのや」へ

JR松本駅から徒歩約13分。松本市の上土通りの細い脇道を入った所にあるのが、ザ・昭和感満載のレトロな喫茶店「珈琲茶房かめのや」。60年以上もの間地元で親しまれていた、老舗純喫茶「翁堂茶房(おきなどうさぼう)」の閉店後、お店をそのまま受け継ぐ形で2016年に「珈琲茶房かめのや」がオープンしました。
昭和レトロなノスタルジックな外観や店内は、古き良き純喫茶の雰囲気をそのまま残しています。
かめのやのお店の名前の由来は「亀のように長くゆったりとしたお付き合いができるように」という思いを込めて、マスターの奥様の実家の屋号をつけたそう。なんだかとってもかわいい名前ですね。

店内には小さな庭と昔ながらの噴水があり、その昔はきっとこれがハイカラだったに違いない!といった雰囲気がいい味を醸し出しています。
さらにBGMはジャズやクラッシックではなく「安全地帯」や「井上陽水」といったニューミュージックと呼ばれる昭和歌謡が流れ、ある意味で突っ込みどころ満載な所も楽しい。

お客さんは学生さんや女子にカップル、男性だけのグループ、以前のお店「翁堂茶房」時代から常連さんだったという地元のご年配の方々まで、その年齢層の幅広さにも驚かされます。
彼女を追っかけて松本に移住。そして「珈琲茶房かめのや」が誕生
以前の店舗は、店主が不在になり閉店。大家さんにあたる地元老舗の洋菓子屋「翁堂」さんは、これまでのお店の雰囲気を残したいという思いから、今後一切テナントで貸すという事は考えてないと決めていたんだそう。
そこへ突然やってきたのが、現在の「珈琲茶房かめのや」のマスター斎藤博久さん。実は大阪から彼女(現在の奥さん)を追いかけて、いきなり仕事も辞めて松本に来ちゃったんです。
しかも当時はニートで、以前からカフェがやりたいという思いで物件探しをしていたそう。たまたまグーグルで検索をしていたところ、閉店中の翁堂茶房を見つけ「ここだ!」と思い、いきなり大家さんに直談判。
当時の面影を残してくれるなら…と大家さんとすぐに打ち解けて「珈琲茶房かめのや」が誕生したのです。
お店は床と天井を張り替えた以外は、椅子やソファー、照明などもほとんどがその当時のままなのです。
ちなみにマスターの斎藤さんは、昔から昭和歌謡が大好きで純喫茶やスナック通いをしていたそう。その時も良くおじさま方から可愛がられていたなんて話しもお聞きしました。斎藤さんの人柄に、きっと大家さんも魅かれてこの人ならとテナントを貸してくれたのかもしれないですね。
SNSで話題!レトロかわい「たぬきケーキ」に注目
こちらは長野県松本の老舗和洋菓子翁堂の「たぬきケーキ(650円)」。以前のお店でもこのかわいいケーキを提供していたため、珈琲茶房かめのやでもそのままメニューに残しました。
懐かしのバタークリームのロールケーキのまわりには、チョコレートがコーティング。おとぼけ顔がインスタなどでも大人気!
私もぜひ「たぬきケーキ」が食べたい!って思っていたんです。そこでオーダーすると…
なぜかマスターの斎藤さんがタッパーを片手に「ちょっと行ってきます!」と残し、いきなりお店からいなくなるという、なんとも不思議な出来事が?!
実はお店のすぐ目の前に翁堂本店があり「たぬきケーキ」のストックがなくなると買いに行くという。
店主が急にいなくなるなって、ちょっぴりびっくり。
どうやらここではこうした事は日常茶飯事で、お客さんも慣れているせいか誰も突っ込まないという(笑)
実はこだわっている「珈琲茶房かめのや」のスペシャルティコーヒー
斎藤さんにコーヒーへのこだわりを聞くと…
-おいしいコーヒーを出すだけです!
-ですよね~(笑)
-でも実は自家焙煎でスペシャルティコーヒーなんですよ。まぁ、その辺の話はそうっとしておきましょう。
-わかりました。そうっとしておきましょう。

かめのやブレンド(カップ450円/マグ550円)
普通ならばスペシャルティーコーヒーを使っているのって、お店のアピールポイントなのに、あえてしれっとしか言わない斎藤さん。なんておもしろい人なんだろうなって。
こうした斎藤さんの人柄に幅広い世代の人が集まる理由がわかる気がしますね。
レトロ可愛いメニューはオーダーせずにはいられない!
女子からの絶大な人気メニューは、昔懐かしのクリームソーダ。左からブルーハワイクリームソーダ、イチゴフロート(各750円)。レトロ可愛さにキュン♡
子供の頃は、クリームソーダよく頼んだよね~なんていう会話も弾んじゃったりして。

その他にもかめのやの「か」の文字が刻印された「ホットサンド」(500円)が食べたい!って思っていたら…
「使っていた、ホットサンドメーカーが壊れちゃって。今、なかなか刻印が作れる職人さんが見つからないんですよね~見つかったら復活します。」とのこと。
なんともゆる~い会話を交わしながら、かわいい刻印のホットサンドに出会えず残念ではありますが、今後復活することを願っております。
なお「か」の刻印はされていませんが、現在もホットサンドは提供されていますのでご安心くださいませ。

懐かしのナポリタン(700円)。でもこのところお店が忙しい時が多いため、お待たせする事もしばしば。
できたらナポリタンは、時間ずらしてオーダーしてくれるとうれしいなっとのことでございます。

「珈琲茶房かめのや」で、最近人気が手作りの砂糖菓子「琥珀糖(300円)」。外はカリッ中はシャリッとした不思議な食感で、ハイセンスなお洒落なパッケージは女子の心をわしづかみでしょ。松本のお土産にもぴったりですね。
純喫茶「珈琲茶房かめのや」は実におもしろい場所だった!

信州松本のレトロで懐かしい純喫茶「珈琲茶房かめのや」に行ってみて思ったのは、ここが実におもしろい場所だなってコト。

昔懐かしの喫茶メニューにマスターの人柄、そこに自然と集まる人々。いつまでもここにいたいという思いにさせてくれる。
今時のお洒落カフェとはまた違う、古き良き時代のノスタルジックで魅力あふれる純喫茶。ここは時代が変わっても変わらない、そんな居心地の良さはある意味で新鮮な場所。
ますます純喫茶が好きになってきた私。また「かめのや」のマスターに会いに出かけよう。
■DATA
珈琲茶房かめのや【こーひーさぼうかめのや】
Web: https://www.facebook.com/coffee.kamenoya/
住所: 長野県松本市大手4丁目7-22
TEL:0263-31-6597
定休日:水曜日・不定休
営業時間:10:00~18:00(LO17:30)